特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
2.治療に必要な基本技術
網膜・硝子体疾患の治療
強膜バックリングのコツと注意点
福島 伊知郎
1
,
松村 美代
1
1関西医科大学眼科学教室
pp.291-294
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907091
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はじめに
すべての手術についていえることであるが,強膜バックリングを行う上で大切なことは,1つひとつのステップを確実に行うことである。しかし,そのステップのテンポは一定ではない。結膜切開から裂孔の凝固までは小気味よく,強膜通糸から網膜下液の排液までは慎重に,強膜内陥は確実に,そしてスピーディに術野を閉じる。もし,裂孔の凝固が不十分であったり,裂孔がバックル上に正しく乗っていなかったりすると網膜剥離は治らないので,術者は術野を閉じる前に眼底を確認し,必ず治ることを確信して終了しなければならない。そうしないと網膜剥離は絶対治らない。その意味では白内障や緑内障の手術と違って,網膜剥離の手術には“ねばり”が必要といえる。
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