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あとがき
西田 輝夫
pp.1794
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102447
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弊誌「臨床眼科」では,昨年の第61回日本臨床眼科学会で発表されました講演の原著論文を掲載してきました。多くの貴重な眼科臨床での経験や結果が論文として本誌に掲載され,学会での講演やポスター発表に加えて,これからの診療に役立つ記録として参照されていくことと思います。
「今月の話題」として高村浩先生の眼窩腫瘍に関する総説を掲載させていただきます。日常の診療では,症例数の多いいわゆるcommon diseasesと稀にしか遭遇しないrare diseasesがあります。Common diseasesに対しては,日本眼科学会や各専門別の学会が公表しているガイドラインなどで示されている診断の基準に基づき確定診断を行うことや,現在用いることのできる最良の薬剤や手術を駆使して適切な治療を行うことが肝要です。一方,rare diseasesに対しては,一般的に共通する所見と各症例ごとに異なる症状や所見を明確に判断して対応していかねばなりません。眼科医一人ではrare diseasesに対する経験が少ないが故に,極力思いつきの診断や治療を選択すべきではなく,過去の文献や先輩・同僚の経験を注意深く参照する必要があります。眼窩腫瘍もrare diseasesの1つです。高村先生の力作がお役に立てばと思います。
まもなく第62回日本臨床眼科学会が開催されます。先生方の臨床経験を同僚の眼科医と共有するためにも,今後貴重な臨床経験として参照できるように,是非「臨床眼科」に原著論文として投稿していただければと存じます。
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