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Asia Corneal Societyが結成され,第1回の集まりがシンガポールで開かれました。米国を中心とする招待講演者に加え,中国とインドという人口の多い国はもちろん,韓国,台湾やタイ,インドネシア,ベトナム,フィリピンなどから約400人の参加者がありました。また今年の6月にはWorld Ophthalmology Congressが香港で開催されます。いままでのヨーロッパとアメリカを中心とする眼科に加え,アジアの諸国が大きく発展して世界の眼科学に貢献し始めてきていることを熱い思いとともに実感しました。海外での学会に出席して感じるのは,共通のプラットフォームとして英語が用いられていることで,英国やアメリカの言語としての英語というよりも,世界共通語としての英語という位置づけが急速に拡がっているように思います。
今月号も,第61回日本臨床眼科学会で発表された研究の原著と専門別研究会の報告を中心にお届けします。日本臨床眼科学会は,眼科学全体を見渡す幅広いシンポジウム,教育講演やインストラクションコースなどに加え,多くの一般演題が報告され,わが国での臨床眼科の発展に大きく貢献しています。急速に展開していく新しい治療法や手術術式あるいは診断技術などの最前線の講演に加え,稀有な眼疾患などの経験について報告され,討議されます。これらの報告が,原著として雑誌「臨床眼科」に掲載され記録されることで,将来にわたり参照することができ,同じような症例を経験されるであろう眼科医の診断や治療法の選択に将来大いに参考になります。世界での眼科学の進歩を知ることと同時に,わが国の自然・社会環境や医療制度のなかでの眼科医療の共有という観点で,雑誌「臨床眼科」がお役に立つものと信じます。
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