連載 もっと医療コミュニケーション・7
訴えるべきか,訴えざるべきか,それが問題だ―医師の時間と患者の時間にはゾウとネズミより違いがある(医療クロネミクス―私の場合)
佐藤 綾子
1,2
,
綾木 雅彦
3
1日本大学藝術学部
2国際パフォーマンス研究所
3昭和大学藤が丘病院眼科
pp.1170-1172
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102329
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このところの医療訴訟の増加は目を見張るものがあります。1996年度の新受付数が575件であるのに対して,2005年度は999件というのが最高裁医事関係訴訟委員会の調べです。患者がお世話になった医師を訴えるなんてよほどの事情があるに違いありません。そう思っていたら,なんと事件は私自身に降ってきました。
2006年1月30日(月)の午前10時。私はT大学附属病院の外科で鼠径ヘルニアの手術を受けました。年甲斐もなく,その前年末にクラシックバレエのレッスンで張り切りすぎ,左足の片足ジャンプを何百メートルもやったあと,左足がズキズキ痛くなり,股関節が炎症を起こしていることがわかりました。一時的な捻挫状態です。でも仕事があります。左足を引きずりながら右足だけに体重をかけ,たくさんの講演や授業をこなしていました。
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