特集 帰してはいけない外来患者
【ケーススタディ】
頭痛を訴える患者
高田 俊彦
1
,
馬杉 綾子
1
,
生坂 政臣
1
1千葉大学医学部附属病院総合診療部
キーワード:
危険な頭痛
,
最悪
,
増悪
,
突発
Keyword:
危険な頭痛
,
最悪
,
増悪
,
突発
pp.22-24
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100833
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Case
Case1
65歳の女性.数日前からかぜ気味であった.夕方から頭痛が出現.しばらく様子をみていたが改善しないため,夜間外来を受診.本人はかぜをこじらせたと言っている.
Case2
40歳の女性.20代より片頭痛の既往がある.前日から頭痛が出現.今までの頭痛と同様のタイプで増悪傾向もない.通常は市販薬の服用にて軽快するが,今回は薬の効果が乏しく頭痛が持続するために,一般外来を受診.
帰してよい人,だめな人の鑑別のポイント
頭痛は日常診療で遭遇することの多い愁訴の1つであり,その原因疾患は緊張型頭痛や片頭痛に代表される良性の機能性頭痛が大多数を占める.しかし,くも膜下出血,脳出血,髄膜炎などの症候性頭痛(以下,危険な頭痛)は低頻度ながらも,見逃すと重篤な状態を招くことから,頭痛診療では第一にこれらを除外する必要がある.意識障害や片麻痺などの神経症状を伴っていれば,危険な頭痛を鑑別診断として想起するのは当然であり,診断に苦慮することはないが,一般外来においては,神経学的異常を伴わずに歩いて受診する危険な頭痛患者も決して稀ではない.本稿では,そのような症例での危険な頭痛,とくにくも膜下出血に重点をおいて述べる.
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