今月の表紙
前房内硝子体脱出
永野 幸一
1
,
坂本 泰二
2
1北里大学眼科
2鹿児島大学眼科
pp.1053
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102303
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症例は77歳,男性である。2006年8月に両眼の白内障手術を目的に当院を紹介され受診した。視力は右0.2(0.7),左0.09(0.6)で,両眼に核硬度Ⅲ程度の白内障を認めた。そのほかに特記すべきことはなかった。同年10月に両眼の白内障手術を施行した。右眼は術中に後囊破損が起こったものの,前部硝子体膜が温存されていたためか硝子体の前房への脱出はなく,眼内レンズをout of the bagに挿入して手術を終了し,同日の術後診察時には問題はなかった。翌日の診察時に硝子体の前房への脱出を認めた。1週間経過観察を行ったが不変のため(写真),前部硝子体切除術を施行した。
最終観察時(2007年6月),視力は右0.9(1.2),左0.9(1.2)と良好である。
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