特集 時間の流れと産婦人科生物学―早すぎること,遅すぎること,長すぎること,短かすぎること―
Ⅰ.時間の生物学総論
1.今改めて「ゾウの時間とネズミの時間」
本川 達雄
1
1東京工業大学生命理工学研究科
キーワード:
動物の時間
,
社会の時間
,
サイズの生物学
Keyword:
動物の時間
,
社会の時間
,
サイズの生物学
pp.445-449
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000223
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要旨
動物の時間の早さは,体重あたりのエネルギー消費量に比例する.小さい動物ほどエネルギー消費量が高く,ネズミの時間はゾウの時間より早い.この時間の見方を人間にあてはめると,幼少期の時間は早く老年期の時間は遅いことになる.エネルギーを使えば使うほど時間が早くなるという関係は,社会生活の時間にもあてはまると思われる.現代人は大量のエネルギーを使って生活の時間を早めており,それは体の時間より桁違いに早い.そのような時間の下では,子どもの発達に問題が出ないのだろうか?
Copyright © 2023, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.