今月の表紙
格子状角膜ジストロフィ
寺内 渉
1
,
西田 輝夫
2
1獨協医科大学
2山口大学
pp.443
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102184
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患者は44歳男性,2006年10月に近医を受診し,格子状角膜ジストロフィと診断され,治療的レーザー角膜切除術または角膜表層移植手術目的で当院を紹介され受診した。初診時所見では,視力は右0.08(0.4P),左0.08(0.5),グレアテストは右25.0%,左12.5%であった。両眼とも角膜深層と表層に淡い混濁を伴っていた。11月20日に角膜表層の淡い混濁を切除するため,右眼に治療的レーザー角膜切除術を施行した。切除量は角膜上皮45μm,角膜実質81μmで,術後視力は(1.2×HCL)であった。
写真は初診時の徹照法写真である。撮影のポイントは反帰光が最大の明るさになる視神経乳頭の反射の位置に固視を誘導して撮影することである。また,スリット光を瞳孔縁までシフトし,スリット長・幅を病変の邪魔にならないようにカットすることもポイントの1つである。具体的にはスリット長3mm,スリット幅8mm程度で撮影するのが望ましい。強膜散乱法や細いスリットまたは太いスリットの直接照明法,拡散照明法を併用することで病変の全体像を捉えることができる。
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