今月の表紙
格子状角膜ジストロフィ
山口 純
1
,
井上 幸次
2
1北里大学病院
2鳥取大学
pp.283
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214315
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- 文献概要
症例は81歳,男性。2021年1月に視力低下を主訴に前医を受診し,白内障と格子状角膜変性を認めた。両眼の白内障手術を施行したものの視力が改善せず,角膜の状態について加療目的にて当院を紹介され受診となった。当院初診時の視力は,右0.4(矯正不能),左0.5(矯正不能)。角膜実質のやや深層まで混濁がみられたため治療的レーザー角膜切除術(PTK)では治療困難と判断し,深層層状角膜移植術(DALK)や全層角膜移植術(PKP)を検討したが患者からの希望はなく,そのまま経過観察となっている。
撮影はトプコン社製スリットランプSL-D7にニコン社製デジタル一眼レフカメラD300を搭載して行った。角膜病変に対しては強膜散乱法を用いて撮影することが多いが,今回は撮影時に散瞳されていたため徹照法を選択した。視線を動かしてもらい,眼底からの反帰光が均一に最も明るくなる位置を探し,格子状角膜変性の太さや形状,濃淡などをシルエットとして記録した。また,角膜頂点にピントを合わせてしまうと周辺部がぼやけてしまうため,被写界深度を考慮してジョイスティックをやや押し込み,中央から周辺部までピントが合うように調整をした。
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