Japanese
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連載 眼科図譜・302
格子状角膜変性Lattice corneal dystrophy
Lattice corneal dystrophy
大西 直人
1
,
浜中 輝彦
1
,
木村 保孝
1
,
赤羽 信雄
1
Naoto Ohnishi
1
,
Teruhiko Hamanaka
1
,
Yasutaka Kimura
1
,
Nobuo Akabane
1
1群馬大学医学部眼科学教室
1Department of Ophthalmology, Gunma University School of Medicine
pp.6-7
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208780
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- Abstract 文献概要
角膜変性症は,炎症等の角膜疾患に続発するcornealdegenerationと,非炎症性で通常全身疾患を伴わない家族性・原発性のcorneal dystrophyの2群がある。角膜実質の変性stromal dystrophyには,顆粒状角膜変性(Granular dystrophy=Groenouw I型),斑状角膜変性(Macular dystrophy=Groenouw II型)ならびに日本人に多い膠様滴状角膜変性(Gelatinous drop-like dystro—phy)がまず挙げられる。このうら,顆粒状変性の頻度は多く,膠様滴状変性も本邦では約50例の報告がある一方,斑状変性の頻度はごく少なく,庭に第4の疾患として格子状角膜変性がある。これはcorneal dystrophyに属する原発性で常染色例体優件遺伝の形式をとる疾患で,角膜実質に格子状の混濁があり,組織学的には混濁に一致してアミロイド物質がある。本疾患は斑状変性と並びその頻度が極めて少なく,本邦では8例の報告しかない。優性遺伝とされているにもかかわらず,この8例いずれにも家族に本症が発現したとの記録はない。本症の視力障害は,初期では混濁線が周辺に向かって様々の深さで伸びて行くのにつれて現われる角膜の不正乱視のためとされ,後期では混濁線の太さが増し,点状のびまん性混濁が強くなり角膜がスリガラス様になるためといわれている。
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