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連載 眼科図譜・351
卵黄状黄斑ジストロフィの眼底自発蛍光所見
Fundus autofluorescence in cases of vitelliform macular dystrophy
今 陽子
1
,
齋藤 昌晃
1
,
石龍 鉄樹
1
,
飯田 知弘
1
Yoko Kon
1
,
Masaaki Saito
1
,
Tetsuju Sekiryu
1
,
Tomohiro Iida
1
1福島県立医科大学医学部眼科学講座
pp.1040-1042
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102300
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緒言
卵黄状黄斑ジストロフィ(vitelliform macular dystrophy:以下,Best病)はその病期により多彩な臨床像を呈する常染色体優性の遺伝性網膜疾患である。原因遺伝子はVMD2(vitelliform macular dystrophy type 2)であり,その蛋白質産物であるベストロフィンは網膜色素上皮(retinal pigment epitherium:以下,RPE)の基底側形質膜に局在しており,眼球電図(electrooculogram)の所見に関与していると報告されている1)。そのため,眼球電図でのL/D(light peak/dark trouph)比の著しい低下が診断には重要な所見となる。
Best病の臨床像は5段階で表現され,眼底にほとんど異常を認めない前卵黄期,典型的な卵黄病巣を認める卵黄期,黄色物質が囊胞底に貯留する偽蓄膿期,黄色物質が黄斑部に散乱する炒り卵期を経て,最終的には黄斑が萎縮する萎縮期に分類される。本疾患はRPEの代謝障害により網膜下に黄色沈着物を認め,これはリポフスチンであるといわれている2)。
眼底自発蛍光(fundus autofluorescence)は主にRPE細胞内のリポフスチンに由来しており,非侵襲的にRPEの機能を評価できる。今回,兄弟例にみられたBest病の眼底所見と眼底自発蛍光所見を報告する。
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