特集 網膜色素変性症の最前線
加齢黄斑変性の治療(1)―外科的治療を中心に
阿部 俊明
1
1東北大学医学部眼科学教室
pp.1546-1549
発行日 2003年10月15日
Published Date 2003/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101387
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)は網膜色素上皮(retinal pigment epithelium:RPE),Bruch膜,脈絡膜レベルの加齢変化などのために,脈絡膜新生血管(choroidal ne-ovascularization:CNV)が網膜下に発生し,黄斑部を中心にさまざまな程度の出血,滲出物,漿液性網膜剝離などをきたす(図1)。眼内に出現する新生血管は,予後不良であることが多く,直接失明につながることもある。AMDは欧米では頻度が高く失明原因の第1位を占め,白人に多いと考えられてきた。しかし最近の九州大学の久山町の調査1)では,日本でも決して少なくなく,今後早急な対応が迫られる疾患の1つである。最近はAMDに対してさまざまな治療法が報告され,病態に応じた治療法がある程度選択されるようになってきた。しかし,一度病態が確立するといまだに確立された治療はなく,日常診療では対応に苦慮することが多い。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.