やさしい目で きびしい目で 40
ほめ上手な眼科医に
杉田 美由紀
1
1蒔田眼科クリニック
pp.533
発行日 2003年4月15日
Published Date 2003/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101188
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子供はほめて育てろとよくいいます。犬の訓練もできたときにほめてやってご褒美をあげるとうまくいくそうです。また部下の上手なほめ方などという本が売られていたりと,他人からほめられたり評価されたりするほうが作業効率がよくなるようです。誰だってほめられれば嬉しくて気持ちのいいものです。私も横浜市に小院を開業してそろそろ2年になりますが,患者さんに「こんな近くにいい先生が来てくれてほんとうに幸せです」とか,「知り合いにいい先生だからぜひ行ってみなさいと言われて来ました」なんて言っていただくと本当に嬉しくて,明日の診療もがんばろう,などと思い一日の疲れも吹き飛んでしまいます。
一方,患者さんも同様にほめられると嬉しいようです。糖尿病網膜症や緑内障などは,患者さんも眼科医も双方一生懸命治療に取り組んでいるのに,症状があまり改善しないので辛い疾患です。それでも「血糖が下がりだいぶよくなりましたね」「出血が引いてとてもきれいになりました」とか,「眼圧は11です。低くて大変いいです」「視野の悪化がなくてとてもうまくいっていますね」などと言いますと,「先生にほめられるとすごく嬉しいです」とおっしゃる方がいます。そして,そういう患者さんはますます治療に熱心になり病状も安定するように思います。「ああ,そうなんだ。患者さんもほめられると嬉しいものなんだ」とわかりちょっと驚きでした。
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