特集 手術のタイミングとポイント
Ⅳ.角膜
翼状片手術の適応と術式選択
堀 裕一
1
1大阪大学大学院医学系研究科感覚器外科学(眼科学)
pp.254-258
発行日 2006年10月30日
Published Date 2006/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101001
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
翼状片とは
翼状片とは,結膜組織由来の線維組織が結膜から角膜へ侵入しているもので,一種の良性腫瘍である(図1)。多くは鼻側から角膜へ侵入するが,稀に耳側からや両側から侵入する症例もみられる。翼状片の多くは三角形を呈しており,最も角膜中央部に近く三角形の頂点に当たる部分を「頭部」と呼び,球結膜側の血管の豊富な部分は「体部」と呼ぶ。
発生原因は不明であるが,紫外線や粉塵,その他機械的刺激が原因で異常な結膜組織が増殖し角膜へ侵入するといわれている。疫学的にも熱帯地方や屋外労働者に多いことから,これらの要因が関連している可能性は高いと思われる。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.