特集 手術のタイミングとポイント
Ⅳ.角膜
白内障同時手術の適応と術式選択
冨田 真智子
1
1東京歯科大学市川総合病院眼科
pp.250-253
発行日 2006年10月30日
Published Date 2006/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101000
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はじめに
角膜移植術の適応となる場合にはいつでも,白内障の有無を評価する必要がある。逆に,白内障手術を予定する場合には常に角膜の状態を評価しなければならない。白内障と角膜混濁を合併している場合には,同時手術をすべきか,まず角膜移植を行って二期的に白内障手術をすべきか,判断に迷うことは多い。また,超音波白内障手術が進化してきた今日では,逆に白内障手術を先に行って,二期的に角膜移植を予定することも症例によっては選択されると考える。
白内障と角膜混濁の同時手術としては全層角膜移植術,水晶体囊外摘出術,後房眼内レンズ挿入術のトリプル手術が基本である。ただし近年では,角膜移植術のトレンドはパーツ移植(層別移植)に移行してきており,超音波白内障手術の安全性も高まっていることから,角膜移植と白内障の同時手術での術式選択は非常にバラエティに富んだものになってきている。
本稿では,同時手術のメリットとデメリットから同時手術の適応を考えていく。またその際の術式選択についても述べていくこととする。
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