特集 手術のタイミングとポイント
Ⅲ.網膜・硝子体
アトピー性網膜剝離の術前評価と術式の選択
三木 大二郎
1
1杏林大学医学部眼科学教室
pp.178-182
発行日 2006年10月30日
Published Date 2006/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100989
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はじめに
近年,アトピー性皮膚炎の増加に伴い,白内障や網膜剝離の合併が増加してきている1)。特に網膜剝離は通常の網膜剝離に比べ難治性である。通常の網膜剝離ではバックル手術,硝子体手術とも初回復位率は90%前後,最終復位率は100%に近いが2,3),アトピー性網膜剝離では初回復位率75.2%,最終復位率92.6%とかなり劣る4)。また,初回復位を得られなかった場合は,増殖硝子体網膜症(proliferative vitreoretinopathy:以下,PVR)の悪循環にはまり再手術を繰り返すことがある。
本稿ではアトピー性網膜剝離に対する手術加療に対する術前評価,手術適応,術式の選択,それぞれの手術手順について述べる。
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