薬の臨床
疼痛症状を伴う更年期・閉経後不定愁訴に対するノイロトロピン®錠の有用性の検討—メサルモン®Fとの比較成績
苛原 稔
1
,
乾 貞治
1
,
青野 敏博
1
,
土井 忠彦
2
,
高橋 久寿
3
,
斎藤 真平
4
,
長谷部 宏
5
,
井川 昭
6
,
奈賀 脩
7
,
吉本 忠弘
8
,
三村 経夫
9
,
大野 義雄
10
,
高柳 真
11
,
秋山 敏行
12
,
平尾 務
13
,
中郷 吉二郎
14
,
岡山 哲也
15
,
乾 泰延
16
,
三木 鈴
17
,
吉田 篤司
18
,
黒岩 俊一郎
19
Minoru Irahara
1
1徳島大学医学部産婦人科学教室
2阿南共栄病院
3麻植協同病院
4健康保険鳴門病院
5徳島県立海部病院
6徳島県立中央病院
7徳島県立三好病院
8徳島市民病院
9町立半田病院
10坂出回生病院
11香川県立津田病院
12NTT高松病院
13大川総合病院
14愛媛県立今治病院
15高知市民病院
16高知赤十字病院
17国立高知病院
18町立高北病院
19高知県農協総合病院
pp.827-834
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904891
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肩こり,腰痛,関節痛などの疼痛症状を伴う更年期・閉経後不定愁訴に対するノイロトロピン®錠の有用性を,メサルモン®Fを対照薬として検討した。封筒法によりノイロトロピン®錠(NT群,49例)あるいはメサルモンF®(MHF群,35例)を選択して2〜4週間投与し,その臨床効果を比較した。全般改善度では両群間に有意差は認められなかった(中等度改善以上,NT群,65.3%,MHF群62.9%)が,NT群で著明改善が多い傾向にあり,有用性についても両群間に有意差はないものの(有用以上,NT群65.3%,MHF群71.4%),NT群で極めて有用以上が多い傾向にあった。投与4週後の症状の推移では,MHF群は血管運動神経系症状において,NT群は疼痛症状を伴う運動器神経系症状において改善率が高い傾向にあり,特に腰痛はMHF群に比しNT群で有意(p<0.01)に改善していた。以上より,ノイロトロピン®錠は疼痛症状を伴う更年期・閉経後の不定愁訴に対して有用性の高い薬剤であると考えられる。
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