薬の臨床
閉経後および術後不定愁訴症候群へのホルモン補充療法の臨床成績—更年期・閉経期外来での過去6年間の検討
後山 尚久
1
,
坪倉 省吾
1
,
岡本 吉明
1
,
杉本 修
1
Takahisa Ushiroyama
1
1大阪医科大学産科婦人科
pp.437-440
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901254
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更年期・閉経期外来を受診した閉経後および術後(去勢)不定愁訴症候群に対してホルモン補充療法を行い,以下の成績を得た。
①閉経後および術後(去勢)不定愁訴症候群のうち,ホルモン補充療法をfirst choiceにしてもよいと思われる症例が3〜4割を占めた。②症状の全般的改善度は結合型エストロゲン剤1.25mg/日投与が最も成績がよいが,症状の強くない例では0.625あるいは0.3125mg/日投与でほぼ2ヵ月以内で治癒が期待できた。③「のぼせ,ほてり」などの上位3症状には本療法はとくに有効で,平均0.6〜0.8ヵ月で症状の軽快がみられた。④41例中5例(12.2%)に,外陰部異和感,下腹部・下腿の浮腫,頭痛などの副作用がみられたが服薬中止により速やかに消失した。
以上より,血管運動神経障害様症状を主症状とする症例では短期のホルモン補充療法は非常に効果的な治療法と思われた。
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