薬の臨床
更年期の各種不定愁訴に対する塩酸インデロキサジンの有用性に関する検討
小武海 成之
1
,
太田 博明
1
,
杉本 到
1
,
増田 あさ子
1
,
隅田 能雄
1
,
牧田 和也
1
,
堀口 文
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科
pp.533-537
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902107
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高齢化社会の到来により,老年期のQuality ofLifeの向上のための更年期対策は急務となっている.そこで今回われわれは,長谷川式簡易知能評価スケールにて痴呆を否定された各種更年期症状を有する女性30例(平均年齢51.6±1.3歳)に対して,脳機能改善剤である塩酸インデロキサジン60mg/日を8週間投与し,その効果を当科にて作成した40項目にわたる調査表を用いて検討した.その結果,汗をかきやすい,肩凝り,意欲の低下,入眠障害について各々有意な改善が認められた.また腰痛,関節痛,興奮しやすい,神経質,頭痛,記銘力低下,腹部膨満感の各項目については改善傾向を認めた.以上,精神安定剤とは正反対の効果を有する塩酸インデロキサジンの投与により意欲の低下ばかりでなく,各種の不定愁訴に対して幅広い改善効果が認められ,本剤の更年期の領域における有用性が示唆された.
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