臨床研修セミナー 手術手技
V.帝王切開
帝王切開の適応
外西 寿彦
1
,
浅野 仁
1
,
鮫島 浩
1
,
池ノ上 克
1
Hisahiko Hokanishi
1
1鹿児島市立病院周産期センター
pp.754-758
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904877
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近年の周産期医学の進歩に伴い,帝王切開の適応が広がり,帝王切開率は年々増加領向にある。NICUでの未熟児新生児管理の発達に伴い帝王切開の適応となる妊娠週数の範囲も拡大している。また,従来までは妊娠禁忌とされていた重症疾患を合併した妊婦も増加しており,分娩方法として帝王切開が選ばれる場合も多くなっている。一方,一度帝王切開を行ったならば常に帝王切開と言われていた既往帝王切開例や骨盤位のように症例を個別化したうえで経腟分娩を行うことにより帝王切開の頻度を低下させようとする試みもなされている。
われわれ産科医にとって妊娠・分娩管理においてその分娩方法の決定は常に悩むものである。経腟分娩にすべきか,帝王切開にすべきか,母児いずれにとってもその予後を大きく左右することがあり慎重を要する。
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