総説
顕微受精法(microfertilization)に関する臨床的研究の現況
広井 正彦
1
,
井上 正人
2
,
小田原 靖
3
,
斉藤 英和
1
Masahiko Hiroi
1
,
Masato Inoue
2
,
Yasushi Odawara
3
,
Hidekazu Saito
1
1山形大学医学部産科婦人科学教室
2東海大学医学部産科婦人科学教室
3東京慈恵会医科大学産婦人科学教室
pp.189-194
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904827
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体外受精・胚移植(IVF・ET)および配偶子卵管内移植(GIFT)は今日では不妊症治療に広く用いられている。しかし,とくに夫の精子の数が少なかったり,運動率が低い場合や精子と卵子の膜の相互作用(sperm-ovum membrane interaction)における何らかの障害がある場合にはその成功率が極度に低いことが知られている。
これを解決する一つの手段として,卵の透明帯や卵細胞質に対して顕微鏡下にて小手術を加え(microsurgical manipulation),精子の透明帯通過を容易にさせるか,精子を直接注入して強制的に受精させる方法が開発されるようになった。
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