今月の臨床 遺伝子医療—現況と将来
生殖医療における遺伝子診断
3.着床に関する遺伝子診断
高井 教行
1
,
宮川 勇生
1
1大分医科大学産科婦人科学教室
pp.900-902
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904401
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はじめに
着床とは胞胚が子宮内膜上皮に接着(adhe—sion)することに始まり,トロホブラストが増殖(growth),分化(differentiation)し,子宮内膜間質に侵入(insasion)する一連の過程をいう.子宮内膜は胚を受け入れ可能な状態へ分化し,月経周期19〜22日の期間のみに,胚に向けた子宮内膜の窓(implantation window)が開いており,それ以前でもそれ以降でも着床できない.この時期に,胚,子宮内膜,そして周囲の免疫細胞などで多くの遺伝子が発現し,巧妙な調節が行われている.
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