今月の臨床 排卵誘発の問題点—新しい工夫と対策
排卵誘発
A.クロミフェン
1.抗エストロゲン作用
熊谷 仁
1
,
福田 淳
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部産婦人科
pp.760-762
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904369
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はじめに
クロミフェンは1959年にアメリカ・メレル社によって合成された.非ステロイド系エストロゲンであるジエチルスチルベストールやクロロトリアニセンの誘導体で,弱いエストロゲン作用を有する.1961年,Greenblattらによりクロミフェンの排卵誘発効果が初めて報告され,その後視床下部障害に起因する排卵障害に有効であることが確認され,1968年に日本でも発売が開始された.副作用が少なく,約75%と言われる高い排卵誘発率を有するため,第1度無月経・無排卵症例に対する薬物療法の第1選択とされている.本稿では,クロミフェンの抗エストロゲン作用を中心に,最近クローニングされたエストロゲンレセプターの知見を加えて解説したい.
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