今月の臨床 排卵誘発の問題点—新しい工夫と対策
排卵誘発
A.クロミフェン
2.低妊娠率—その対処法と治療限界の見極め
木元 正和
1
,
森岡 信之
1
,
深谷 孝夫
1
1高知医科大学産科婦人科学教室
pp.763-765
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904370
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はじめに
クエン酸クロミフェン(以下,クロミフェン)は排卵誘発の第1選択薬で,無排卵性周期・稀発月経・第1度無月経などに対して幅広く用いられている薬剤である.クロミフェンはエストロゲン受容体の拮抗剤であり,その投与により視床下部からのGn-RH分泌が増加し,脳下垂体の性腺刺激ホルモン分泌が促進されることにより卵胞の発育・成熟がもたらされる.クロミフェン療法の問題点は,クロミフェンのエストロゲン受容体拮抗作用が視床下部以外の部位にも影響を与え,高排卵率にもかかわらず妊娠率が低い点にある.したがって,不妊症例に漫然と投与を続けることは望ましくない.本稿では,このクロミフェン療法の特徴,治療限界の見極め,対処法について概説する.
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