連載
脳におけるエストロゲンの見えざる作用 第33回 ―エストロゲンとアルツハイマー病―
武谷 雄二
1
1東京大学名誉教授/医療法人社団レニア会アルテミスウイメンズホスピタル理事長
pp.71-75
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.29.02_0071-0075
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
アルツハイマー病は代表的な進行性の神経変性疾患であり,認知症の主要原因として,その増加は先進各国で社会問題化している。アルツハイマー病の一部は早発性で遺伝性の関与が大きい。これにはアミロイドの前駆物質であるプレセニリン(presenilin)の突然変異とか,アポリポ蛋白E(APOE)の異常,特にAPOE4アリルの増加などが指摘されている1)。しかしアルツハイマー病の多くは原因不明であるが,加齢またはエストロゲン作用の低下が密接に関わっていることが多くの研究から明らかにされている。本稿ではエストロゲンとアルツハイマー病との関連について概説する。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.