増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
内分泌学的検査
性腺
エストロゲン
神崎 秀陽
1
,
高倉 賢二
1
,
森 崇英
1
1京都大学医学部婦人科学産科学
pp.411-413
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909879
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検査の目的・意義
血中エストロゲン測定は,産婦人科領域では主にエストラジオール値が卵巣機能の評価に用いられ,性成熟婦人においては卵胞発育の機能的指標として,経腟超音波断層法による卵胞径の測定とともに不妊症診療の際のルーチン検査の一つとなっている(表1).排卵障害や体外受精・胚移植症例に対する排卵誘発療法の際に問題となる卵巣過剰刺激症候群の診断にも有用である.また,不妊症診療に限らず,思春期や更年期・閉経期婦人における卵巣機能の評価にも重要な検査である.GnRHアゴニスト投与によりmedical castration療法施行中の子宮内膜症や子宮筋腫症例では薬剤効果の判定に有用である.稀にはエストロゲン産生腫瘍や肝機能異常などのように男性でも上昇する場合がある.妊娠時には胎盤で大量に産生され胎盤機能の指標となる.尿中エストロゲンも胎盤機能や卵胞発育の指標として測定されるが,これについては次項を参照されたい.
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