今月の臨床 Obstetrics is a bloody business
分娩時出血の診断・治療のポイント
7.胎盤遺残
林 瑞成
1
,
朝倉 啓文
1
,
荒木 勤
1
1日本医科大学産婦人科
pp.726-729
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904363
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はじめに
母体死亡の原因の重要なものである産褥大量出血(産褥異常出血)は経腟分娩の5.8%に起こるが,胎盤や卵膜の遺残による出血はその5〜10%を占める.
分娩第3期は,教科書的には初産婦が15〜30分,経産婦が10〜20分とされているが,大半は5〜6分で胎盤は娩出する.胎盤遺残とは,分娩第3期に胎盤が完全に娩出されずに子宮内に残留する状態をいい,胎盤全体の遺残するものと,胎盤の一部が遺残するものがあり,また剥離胎盤の遺残するものと胎盤剥離異常によるものがある2).
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