連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・25
胎盤遺残による子宮復古不全の1例
古澤 嘉明
1
1亀田総合病院産婦人科
pp.1180-1183
発行日 2007年9月10日
Published Date 2007/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101570
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症例
患者:38歳,2経妊・2経産
主訴:多量性器出血
既往歴:特になし.
現病歴:妊娠38週でnon-reassuring fetal statusにて吸引分娩となった.児娩出後,胎盤は自然に娩出され,肉眼的に明らかな欠損は認めなかった.退院前診察では明らかな胎盤遺残は認めず,子宮収縮も良好であり産後5日目に退院となった.1か月健診では子宮収縮はやや不良であったが悪露は正常であり,経過観察とされていた.その3日後,突然の多量の性器出血を主訴に当院救急外来を受診した.
入院時現症:意識は清明で,血圧140/78mmHg,心拍数80/分と全身状態は安定していた.内診上,子宮は小鵞卵大で軟,子宮口より持続性の出血が認められた.
検査所見:WBC 6,400/μl,RBC 379/μl, HB10.8g/dl,Ht 34.4%,Plt 27.9/μl,PT 13.7秒,APTT 31.5秒であった.
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