診療
胎盤遺残に対して待機的管理が可能であった6例の解析
藤島 理沙
1
,
島岡 昌生
,
山本 貴子
,
宮川 知保
,
葉 宜慧
,
貫戸 明子
,
小谷 泰史
,
鈴木 彩子
,
万代 昌紀
1近畿大学 医学部産科婦人科学教室
キーワード:
Chorionic Gonadotropin
,
Methotrexate
,
MRI
,
子宮出血-不正
,
掻爬術
,
妊娠テスト
,
後向き研究
,
遺残胎盤
,
カラーDoppler超音波診断
,
子宮動脈塞栓術
Keyword:
Curettage
,
Chorionic Gonadotropin
,
Methotrexate
,
Metrorrhagia
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pregnancy Tests
,
Retrospective Studies
,
Ultrasonography, Doppler, Color
,
Placenta, Retained
,
Uterine Artery Embolization
pp.1685-1688
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2017095137
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2000年~2016年の16年間に待機的管理を施行した胎盤遺残の6症例(母体年齢31~38歳、初産婦3例、経産婦3例)について報告した。その結果、遺残組織径は25~107mm(平均60mm)で、3例で再出血を来たし止血処置を要したが、残り3例では産後20~46日目に遺残組織の自然排出を認めた。再出血を来たした3例では、1例は緊急手術を施行して遺残組織を用手的に剥離した。もう1例は掻爬術、子宮動脈塞栓術(UAE)に加え、メトトレキサートの投与によりS-hCG値の陰転化後、子宮鏡下に摘出術を施行し、遺残組織を除去した。残り1例はUAE施行後、遺残組織は自然消出した。尚、遺残組織の自然排出の3例では遺残組織径が41~65mmと比較的小さかった。以上より、止血処置を要した3例でも止血後は待機的に管理が可能であり、全例で子宮の温存が可能であった。
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