連載 Estrogen Series・46
更年期後のホルモン補充療法と乳癌との関係—エストロゲン単剤とエストロゲン+プロゲスチン組み合わせとの比較 その1
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.1428-1429
発行日 2000年12月10日
Published Date 2000/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904213
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さきに発表された,それまでに発表された世界の疫学的データの90%以上を含む大規模なレビュー調査で,更年期後のホルモン補充療法(HRT)と乳癌との関連が調べられた1).その結果によれば,HRT期間が長くなると乳癌との関連が認められた.ただし,過去の一時点でHRTを使用した場合には,その関連はなかった.その関連は現在あるいは最近まで使用していた場合(recent users)に見られた.この調査によれば,HRT期間の延長にともなう乳癌リスクの増加は痩せ形女性(leaner women)に多く見られ,また臨床的に進展度の少ない場合に見られた1).
この調査で解決できなかった問題の一つに,HRTにエストロゲンとプロゲスチン(E+Pとここでは略す)との組み合わせを使用した場合(コンビネーションHRT)に,エストロゲン単剤(Eとここでは略す)を使用した場合にくらべて,乳癌発生は増加するのか,という問題がある.
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