連載 Estrogen Series・47
更年期後のホルモン補充療法と乳癌との関係—エストロゲン単剤とエストロゲン+プロゲスチン組み合わせとの比較 その2
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.90-91
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904240
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前回に続いて,今回もホルモン補充療法と乳癌との関連に関する最近の発表をご紹介したい.これまた前回と同様,エストロゲン単剤(unopposedestrogen)と,エストロゲンとプロゲスチンとを組み合わせたもの(combination HRT)とを,その乳癌発生との関連から調べたものである.
エストロゲン単剤によるHRT(ここではEと略す)は1960年代から1980年代初期に全米で急速に普及したが,1975年にEと子宮内膜癌との関連を示す論文がつぎつぎと発表されて,エストロゲン単剤の使用は急速に減少した1,2),それに代わってエストロゲンとプロゲスチンを併用する方法が普及した.このEとPを組み合わせた方法の導入により,HRTに伴う子宮内膜癌発生の問題は解消してしまった.
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