今月の臨床 子宮頸癌—最近のトピック
治療のトピック
5.放射線療法—放射線科からみた頸癌治療のトピック 1)Chemoradiotherapy
兼安 祐子
1,2
1東京女子医科大学放射線科
2広島大学医学部放射線科
pp.800-805
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904060
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子宮頸癌に対する放射線療法は確立され,早期癌においては手術療法と同等の治療成績が得られているが,進行癌においては局所再発および遠隔転移率が高く,その治療成績の改善のために,何らかの併用療法の必要性が求められている.
進行子宮頸癌の治療成績の向上を目的に全身の静注化学療法や動注化学療法は,放射線療法または手術療法前のneoadjuvant chemotherapy(以下,NACと略す)や放射線治療中の同時化学療法として施行されている.近年,NACとして主治療前に抗癌剤を投与して局所の腫瘍の縮小を図り,線量分布を改善させることで放射線治療効果を増加させたり,down stagingを図り広汎性子宮全摘術を可能にする試みが多く報告されている.また同時併用の報告も増加している.当科では骨盤内進行・再発癌に対し,骨盤内動注化学療法を施行してきた1-6).進行子宮頸癌におけるchemo—radiotherapyの適応とその成績を検討し,その役割を述べたい.
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