今月の臨床 生殖内分泌と不妊診療の最新データ
不妊の治療
2.ゴナドトロピン療法,クロミフェン療法
上条 隆典
1
,
安藤 一道
1
,
水沼 英樹
1
1群馬大学医学部産科婦人科
pp.548-555
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904010
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不妊治療における排卵誘発治療は,主として慢性的無排卵症の患者に対して適応となるが,現実には黄体機能の改善や子宮内膜の成熟,頸管粘液の分泌改善などを目的として行われる場合もある.今日,ARTの進歩・発展はめざましく不妊治療の重要な位置を占めているが,単一卵胞発育を目的とした排卵誘発法とGnRHアナログを用いたIVF-ET時の排卵誘発法とは根本的に異なる概念である.このためARTにおける排卵誘発法については他稿に譲り,ここではゴナドトロピン療法に関して最近注目されている“閾値説(threshold theory)”を中心に,排卵誘発における卵胞成熟とFSHおよびLHの関係にせまるとともに,hMG,urinary purified FSH(uFSH),recombinant human FSH(rhFSH)などの各種ゴナドトロピンの投与法および治療効果,副作用について解説を加えることとする.またクロミフェン療法については,その薬理作用は成書に譲り,投与法および投与上の注意点に関して解説する.
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