今月の臨床 生殖内分泌と不妊診療の最新データ
不妊の治療
1.不妊治療の動向
渋井 幸裕
1
,
久保 春海
1
1東邦大学医学部産科婦人科学第一
pp.542-546
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904009
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年の不妊治療は,迅速ホルモンアッセイ,内視鏡検査や経腟超音波による卵胞計測などの診断法に始まり顕微授精に至るまで非常に多岐にわたっている.なかでも1978年のイギリスにおける世界初の体外受精(IVF)児ルイーズ=ブラウンの誕生は画期的な出来事であった.
これを出発点として以後,不妊の臨床における生殖補助医療(assisted reproductive technol—ogy:ART)の発展は目覚ましいものがあり,従来治療困難とされていたカップルに福音をもたらしている.今日の不妊治療の隆盛はARTの進歩と同調しているといっても過言ではなく,本稿ではARTの現況と今後の動向を中心に述べる.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.