原著
子宮筋腫手術例における持続硬膜外ブロックを用いた術後疼痛管理の問題点
守屋 真理子
1
,
田部井 一世
1
,
南田 智子
1
,
岡 緑
2
,
堀部 原生
2
,
横須賀 薫
3
,
相羽 早百合
3
1至誠会第二病院看護部
2至誠会第二病院麻酔科
3至誠会第二病院産婦人科
pp.1429-1432
発行日 1999年11月10日
Published Date 1999/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903845
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子宮筋腫にて腹式子宮全摘術を受け,硬膜外簡易持続注入カテーテルを用いた持続硬膜外ブロック(continuous epidural block:CEB)による術後疼痛管理を施行された54例(A群)における,鎮痛剤使用回数,ペインスコアの変化,術後排ガスまでの時間,CEBの副作用などについて検討した.対照はCEB未施行の同様症例44例(B群)とした.両群の臨床的背景では,A群において高血圧や頭部外傷などの既往が多かった(p<0.05)が,他の因子では差を認めなかった.鎮痛剤使用回数とペインスコアは,A群で明らかに少なかった(p<0.05).CEBの副作用として,下肢の知覚・運動神経麻痺がB群より多く認められ(p<0.05),A群における悪心・嘔吐の出現,排ガスまでの時間の延長などの傾向もみられた(p:NS).これらを認識し,適切な対応をすることにより,よりよい術後疼痛管理を可能にすることができると考えられた.
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