今月の臨床 胎児へのlife line臍帯
臍帯の臨床
4.臍帯過捻転
宇津 正二
1
1聖隷三方原病院産科
pp.912-914
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903709
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胎児へのlife lineである臍帯は,普通には,2本の臍帯動脈と1本の臍帯静脈が外側をワルトン膠質に被覆されながらほどよく捻れた形態をとっている.この捻れの構造は,ちょっとした臍帯の圧迫や折れ曲がりなどでは臍帯血流が障害されないようになっており,天与の安全構造ともいうべきものであろう.しかし,実際には3本の血管が真直ぐに並んだままでまったく捻れのない臍帯や,逆に電話コードのように著しく過剰に捻転した臍帯なども少なからずみられ,そのような例では,臍帯の異常な捻転が原因で臍帯血流が遮断されたり,うっ滞して子宮内胎児死亡(IUFD)や子宮内胎児発育遅延(IUGR),分娩時胎児仮死などの胎児異常が発生する例もある.本稿ではそのような胎児異常をもたらすような臍帯の病的な過捻転例の胎内診断と,その管理や予防の可能性について述べる.
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