原著
当科における性器脱の管理
田中 綾一
1
,
小泉 基生
1
,
馬場 剛
1
,
山中 郁仁
1
,
鈴木 孝浩
1
,
山下 智子
1
,
野田 雅也
1
,
伊東 英樹
1
,
工藤 隆一
1
1札幌医科大学医学部産婦人科
pp.855-859
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903698
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1991年4月から1997年7月までに当科において治療した性器脱の82症例について,尿道膀胱造影による手術の術式決定とその術式の有用性について長期予後を含めて検討した.尿道膀胱造影による評価では,術後75.4%に後部尿道膀胱角の,98.4%に腹圧膀胱下垂長の改善が認められた.また長期的予後では,尿失禁の改善は66.7%に,排尿困難の改善は73.3%に認められた.したがって,われわれが行っている尿道膀胱造影を用いて決定された手術術式とその術式の有効性が認められた.
しかし,術後に尿失禁が改善しなかった症例や術後長期的に再度出現してきた症例があることより,さらに詳細な術式の個別化や骨盤底筋群の訓練による強化の指導などを行うことによって,性器脱治療の効果を改善し得ると考える.
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