特集 手術とFunctional Anatomy
Ⅳ.子宮の手術
性器脱の手術
浅野 定
1
Sadamu Asano
1
1神戸市立中央市民病院産婦人科
pp.845-849
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205932
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懐旧談を持ち出して恐縮するが,筆者が手術の手ほどきを受けた頃は,子宮脱の手術というと術式が込み入っていて解剖学的関係がよく理解できず,操作もめんどうで熟練を要し,子宮頸癌の手術ほどではないにしても,こんな手術ができるようになるのはいつのことかと,ぼんやり見学していたように思う。
しかし当時は症例が少なく,大学病院でも年に2,3例であった。ところが戦後は多発に驚き,銃後の婦人も大変だったなと頭が下がる思いであったが,一方では多くの術者が悪戦苦闘することになり,ときには2時間,3時間を要することもあった。
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