症例
出生前に診断し,生後腹腔鏡下にて摘出された胎児卵巣嚢腫茎捻転の1症例
岡田 園子
1
,
大崎 尚
1
,
金森 文江
1
,
神崎 秀陽
1
,
服部 和裕
2
,
木下 洋
2
,
岡 隆紀
3
,
佐藤 正人
3
1関西医科大学産婦人科
2関西医科大学小児科
3関西医科大学外科
pp.861-863
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903699
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超音波を含む画像診断の発達に伴い出生前胎児診断率は向上した.今回われわれは,胎児卵巣嚢腫を出生前に診断し,生後腹腔鏡下にて摘出した症例を経験したので報告する.
症例は妊娠31週時に胎児腹部腫瘤を認め,当科紹介となった.超音波断層検査,MRI画像検査にて胎児左卵巣嚢腫茎捻転と診断された.新生児は妊娠37週4日,胎児仮死にて腹式帝王切開術にて娩出された.生後翌日,腹部膨満,排便困難を認め,低侵襲な腹腔鏡下に手術を施行した.表面平滑なS状結腸を圧迫する暗赤色な単房性の左卵巣嚢腫を認めた.左卵巣および左卵管は一塊となり反時計方向に子宮角付近で約360度回転しており,やむなく左付属器を切除した.術後病理診断は,fol—licular cystであり,術後13日目に軽快退院した.
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