今月の臨床 婦人科がん検診
正診率向上のための要点
2.子宮頸癌 2)見逃しやすい初期病変―腺系病変
大石 徹郎
1
,
紀川 純三
1
,
皆川 幸久
2
,
寺川 直樹
1
1鳥取大学医学部産科婦人科学教室
2鳥取県立中央病院産婦人科
pp.42-45
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101099
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はじめに
がん検診の普及により,子宮頸癌においても初期癌や前癌病変の占める割合が増加し,その死亡率は低下した.子宮頸部の扁平上皮系病変に対する病理学的ならびに細胞学的診断基準はすでに確立している.一方,近年発生頻度の増加が指摘されている頸部腺系病変では,その自然史や進展様式について未だ不明な点が多く,腺異形成や上皮内腺癌の病理学的位置づけも明確ではない.
子宮がん検診のさらなる精度向上のためには,頸部腺系病変の正確な把握と的確な診断が重要な課題となる.本稿では,子宮頸部の腺系初期病変の概念とその細胞像について概説する.
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