今月の臨床 内視鏡手術—どこまで進んだか
腹腔鏡下手術
6.卵管形成術
原田 省
1
,
谷川 正浩
1
,
岩部 富夫
1
,
寺川 直樹
1
1鳥取大学医学部産科婦人科
pp.1518-1520
発行日 1998年12月10日
Published Date 1998/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903485
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卵管性不妊症は不妊原因のおよそ30%を占め,女性側の原因としては最も頻度が高い.近年,卵管障害の原因としてクラミジア感染症が注目されている.クラミジアは子宮付属器炎や骨盤腹膜炎をひき起こし,卵管障害を高率に発生させる.クラミジア感染は自覚症状に乏しく,不顕性感染による蔓延が問題となっている1).
卵管障害の治療としては,卵管形成術,体外受精—胚移植(IVF-ET)および卵管鏡下再疎通術が行われる.実地臨床の場では,IVF-ETが簡便となり広く普及したこともあって,手術療法に比べ安易にIVFが選択される傾向にある.しかしながら,卵管形成術あるいは卵管鏡下再疎通術は自然妊娠をもたらすことができる点でIVFとは本質的に異なっており,適応症例には積極的に試みるべきである.本稿では,腹腔鏡下卵管形成術について解説する.
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