特集 産婦人科形成手術・Ⅱ
卵管形成術について
高野 昇
1
Noboru Takano
1
1千葉大学医学部産科婦人科学教室
pp.1227-1239
発行日 1971年12月10日
Published Date 1971/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204534
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
女性不妊因子中もつとも難治であるといわれているのは卵管閉塞症であることはいうまでもない。卵管閉塞症に対して i)卵巣子宮内移植術 ii)他の組織による卵管造設法(たとえば虫垂突起,血管,腸管,卵管間膜,広靱帯,尿管など) iii)他人の健康な卵管移植法 iv)人工卵管の応用 v)体外受精卵の子宮内膜着床法,などが考えられ,林1),小野2)などによる人工卵管,あるいは体外受精の研究,これにともなう基礎的な研究が盛んに行なわれてはいるが,未だ実用化の段階でなく,卵管形成術によらねばならない症例を扱わざるを得ないのが現実である。
以下これら卵管形成術について自験例をまじえ検討してみた。卵管形成術に対して幾分でも参考になれば幸である。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.