今月の臨床 卵管性不妊症への対応
外科的治療
3.マイクロサージェリーによる卵管形成術—卵管周囲癒着
東 敬次郎
1
,
苛原 稔
1
,
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産科婦人科
pp.834-837
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903313
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卵管障害は不妊症の原因の約30%を占めており,卵管形成術は不妊治療の最も重要な柱のひとつである.近年,体外受精—胚移植(IVF-ET)は技術の進歩に伴って成績が向上し,その1回当たりの妊娠成功率は約20%に達している.しかし,IVF-ETは初回妊娠に成功しただけでは,多くの不妊婦人が希望する第二子,第三子の誕生には結びつかない.
近年の医療用レーザーの応用と腹腔鏡の技術革新は,卵管形成術の有用性をますます高めていると言える.本稿では,卵管障害のうち,主として卵管周囲癒着に対する顕微鏡下卵管形成術の有用性について,最近のデータをまとめた.
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