特集 手術とFunctional Anatomy
Ⅴ.卵管の手術
卵巣と卵管の血管系—(付)マイクロサージェリー
柴田 直秀
1
Naohide Shibata
1
1東邦大学医学部産婦人科教室
pp.870-876
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205940
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Ⅰ.卵巣の血管系
1.卵巣の血管の特徴
卵巣の血管は,特殊な構造の閉鎖血管である。とくに卵巣動脈では,外弾性線維が微細ないし消失していて,内腔には,半月状に隆起を示す縦走平滑筋線維が認められるが,これは,縦走のみでなく斜走,ラセン状の場合もある。したがって卵巣の血管は収縮によって捩れたり,ラセン状となり,かくて内腔の縮小も起こる。卵巣の部位によって血管壁の反応がそれぞれ食い違うことは,閉鎖血管という特性も加わって,卵巣が時期によってさまざまな働きを行なう不思議な機関たらしめている(図1,2,3)4)。
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