今月の臨床 卵管性不妊症への対応
外科的治療
2.マイクロサージェリーによる卵管形成術—峡部,膨大部閉塞
河上 征治
1
,
澤田 富夫
1
1藤田保健衛生大学産婦人科
pp.828-832
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903312
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卵管性不妊と診断された挙児希望のカップルは,以前では開腹手術による卵管形成術(癒着剥離術,開口術,端々吻合術など)を受ける以外に妊娠の望みがなかった.しかしこの15年間はIVF-ETを含むART(生殖補助技術)による妊娠の可能性が確立され,観血的な再建術は必要がなくなるのではないかという希望的観測もなされてきた.
ところがARTによる妊娠成績は安定しつつも一定の限界を迎えた現在1),ART以外の方法による自然妊娠を目指す従来までの卵管形成術が再び見直されようとしている.その妊娠率の高さ,反復妊娠の可能性,自然な妊娠を得ることのできる卵管形成術はARTを含めた不妊治療の一つの強力なoptionとして今も重要な位置を占めていると考える.
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