連載 カラーグラフ
実践的な腹腔鏡下手術・17
卵管に対する腹腔鏡下手術:Ⅰ—各種卵巣疾患に対する対応から
伊熊 健一郎
1
,
子安 保喜
1
,
束田 崇夫
1
,
西尾 元宏
1
1宝塚市立病院産婦人科
pp.655-657
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903264
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卵子と精子の出会いの場となる卵管においてもいろいろな病態がみられるが,現時点での腹腔鏡下手術では,卵管に対する専用の器具・器材,一定の確立した術式や手技・手法の点など,いまだ多くの課題が残されている.しかし一方.CO2ガス下である気腹法による腹腔鏡下手術は,(1)臓器を空気に曝さない点,(2)温度や湿度などは安定している点,(3)モニター画像には対象臓器も拡大できる点,など卵管手術にとっては開腹して行う従来法のマイクロサージャリーの条件に比べて優れた環境を提供する手法として捉えられている.今後は専用の器具や器材の改良や開発,新たな術式の考案や開発,当然ながら手技の習得や習熟などにより,より有用性のある手術法として普及していくものと期待している.
今回の卵管に対する腹腔鏡下手術としては,これまでに体験してきた卵管疾患におけるいくつかの手術内容を振り返りながらマイクロサージャリーへの方向性についても模索したいと考える.
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