連載 カラーグラフ
実践的な腹腔鏡下手術・13
急性腹症に対する腹腔鏡下手術の対応:Ⅰ—捻転などの出血を伴わない症例から
伊熊 健一郎
1
,
子安 保喜
1
,
山田 幸生
1
,
西尾 元宏
1
1宝塚市立病院産婦人科
pp.5-7
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903131
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腹腔鏡下手術では,画像に再現された腹腔内の状態をスタッフ全員で共有して,最終的な確定診断と状況把握をしたうえで最も適した治療法を選択するチームプレーが可能となる.とくに婦人科領域における急性腹症に対しては,本法は実に理に適った有用な治療法であると認識する.
しかし,実際の急性腹症に当たっては,たとえ平日であっても予定外や時間外さらには夜間や休日での対応となり,腹腔鏡下手術を行うには必ずしも好条件がつねに備わっているわけではない.また現実的には緊急時の手術対応としては,短時間で行える簡便で有効な手術内容であることも要求されるため,日常,行っていない内容やできない内容を緊急時の悪条件下に求めることは実際には困難であると考えるべきである.あくまでも常日頃より安全で合理的な手技・手法や術式を求めた手術を心がけていることが,緊急時であっても集大成した力が発揮されるものであると考える.
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