今月の臨床 安全な腹腔鏡下手術をめざして
安全性と予後に配慮した手術手技
卵巣腫瘍の腹腔鏡下手術―体外法による卵巣腫瘍の手術
伊熊 健一郎
1
,
山田 幸生
1
,
細川 真理子
1
,
奥 久人
1
,
上田 真太郎
1
,
北川 まり子
1
,
田中 雅子
1
,
子安 保喜
1
1宝塚市立病院産婦人科
pp.275-281
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100191
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はじめに
良性の卵巣腫瘍に対する腹腔鏡下手術には,手術に必要な全工程を鉗子などの器具を介して腹腔内で行う体内法と,腹腔鏡下に腫瘍の縮小をはかり体腔外で摘出・修復を行い腹腔内に還納させる体外法とがある.両方法にはそれぞれに特有な特徴がある.しかし,対象となる卵巣腫瘍の性状,大きさ,癒着の程度,施設としての方針や術者の技量などから判断し,1つの手技・手法だけに固執することなく,最も適した方法を柔軟に選択していただきたい.それには,手術の安全性と確実性,手術時間とその経済性といった点にも目を向ける必要があるからである.本稿では,安全性と予後に配慮した手術手技として良性の卵巣嚢腫に対する体外法のコツなどを中心に紹介する.
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