今月の臨床 経腟超音波を使いこなす
不妊症治療への応用
4.IVF-ETへの応用
中川 浩次
1
,
山野 修司
1
,
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産科婦人科
pp.538-542
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903246
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経腟超音波はプローブを卵巣や子宮に近づけて操作ができるため,経腹超音波で骨盤内臓器を観察する際に使用する周波数(3MHz,5MHz)より高い周波数(6 MHz,7.5MHz)のプローブを使用することが可能となった.その結果,骨盤内臓器の観察に際し,より鮮明な画像を得ることができるようになり,この特性を生かして経腟超音波は不妊症領域になくてはならない検査となった.補助生殖医療(assisted reproductive technol—ogy:ART)が近年著しい発展を遂げたが,その陰には経腟超音波の目覚ましい発展があり,経腟超音波は卵胞発育モニタリングや採卵というARTの中心的な作業において欠かすことのできない機器となっている.
本稿では,経腟超音波の体外受精—胚移植(以下IVF-ET)への応用と題して,卵胞発育モニタリングならびに採卵について,基本操作および誤りやすい操作,画像読影について解説し,さらに経腟超音波を用いた胚移植前の子宮内膜環境の評価についても述べることとする.
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