今月の臨床 子宮外妊娠—up to date
子宮外妊娠は増えているか
4.IVF-ET・GIFTと子宮外妊娠
塩見 秀明
1
,
田中 温
1
,
永吉 基
1
,
粟田 松一郎
1
,
田中 威づみ
1
,
竹本 洋一
1
,
鷹野 和哉
1
,
高崎 博幸
1
,
井手 紀子
1
Hideaki Shiomi
1
1セントマザー産婦人科医院
pp.357-359
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901228
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
現在,一般的に,体外受精胚移植(IVF-ET)配偶子卵管内移植法(GIFT)において,妊娠率向上のために,複数個の卵を,子宮内,卵管内に移植している。当院においては,IVF-ETでは,妊娠率がギフトに比べかなり低く,流産率が高い性質上,移植する卵子数については4個まで移植する場合が多い。また,GIFT法においては,採取した卵胞卵の成熟度を,卵丘細胞の結合状態,卵丘塊の大きさ,卵細胞質の形態などから,成熟度の高い順に,G1,G2,G3(図1)に分類し,おのおの3〜5時間,5〜7時間,10〜12時間の媒精前の卵子培養を行い,卵子の成熟度を高めている。媒精1時間後,GIFT直前の卵丘細胞の付着状態より,卵子を,C(—),C(±),C(+)(図2)に分類し,卵管内に,移植する卵子数は,C(—)の卵子を,4個以内としている。したがって,IVF-ET, GIFTにおいては,子宮外妊娠,多胎妊娠の頻度が,高いといわれている。今回われわれは,このIVF-ET, GIFTと,子宮外妊娠の発生に関して,臨床的に検討を加えたので,その結果について報告する。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.